「なんだか育てにくいな…」と感じることはありませんか?
私の息子も診断がつく前から、他の子とは少し違う様子が見られました。 戸惑いや不安、自己否定に押しつぶされそうになった日々。 でも今は、「この子にはこの子のペースがある」と思えるようになってきました。
この記事では、1〜4歳の頃に私が感じた“育てにくさ”や困りごと、そしてそこから見えてきた子どもの特性や関わり方について、実体験をもとにまとめています。
同じように悩むママ・パパに、少しでも心が軽くなるヒントが届きますように。
この記事がおすすめの人
・発達障害かもと悩んでいる親御さん
・自閉症スペクトラムとお子さんが診断された人
・療育、放課後デイサービスなどの発達障害を支援されている方

発達障害児の育児は、想像以上に大変です。
診断がつく前から日常の困りごとが多く、周囲の理解も得にくいからです。
初めての育児で「男の子だからね」と言われてやり過ごしていた違和感。 今なら「そうじゃなかった」と分かることばかりです。
市の支援や制度、周囲の助けがなければ、私はここまで来られませんでした。
発達に偏りがあっても、安心して育児ができる社会であってほしい。 そう心から願っています。
1〜2歳ごろに育児で感じた違和感と育てにくさ

人見知りしない息子に感じた不安
赤ちゃんのころから人見知りをしない息子に、少し不安を感じていました。
普通は「ママじゃなきゃダメ!」となる時期でも、誰に抱っこされても平気で、母親の私がいなくても泣かない姿に、違和感を覚えていました。
職場のお祭りに連れて行った時、知らない人の腕の中でも泣かずに落ち着いていて、「愛想がいいね」と言われたものの、私は複雑な気持ちに。愛想がよく、誰からも可愛がられる存在でしたが、歩けるようになってからもその違和感は増すばかりでした。
「人見知りしない=育てやすい」と思われがちですが、背景には自閉症スペクトラムの特性がある可能性もあると感じました。
公園で遊ばない?動くものへのこだわり
公園で遊ばない息子の行動に、私は戸惑っていました。
遊具よりも動く車などへの強いこだわりがあったからです。
公園では遊具に目もくれず、駐車場の車の出入りをひたすら眺めに行ってしまう。何度も連れ戻すうちに、私が公園に行くのが嫌になってしまいました。ちょうど選挙だったのもあり、公園の周りを走る選挙カーを一生懸命走って追いかけていたのを覚えています。
「遊ばない=興味がない」のではなく、「興味の対象が違う」だけなんだと今は思えます。
視覚優位の特徴が現れた日常の一コマ
息子は視覚優位で、目に入る情報にとても敏感でした。
そのため、移動や指示に従うのが難しい場面が多く見られました。
玄関からすぐの車に乗るだけなのに、道中の花に気を取られてなかなか進めず、30分経っても車に乗れないことも。
忙しい朝には本当に大変でした。
息子の視線や興味を理解することが、スムーズな関わりの第一歩でした。
感情の豊かさと感受性に気づいた瞬間
ドラえもん映画で号泣した3歳の息子
息子の感受性の豊かさに驚かされた出来事がありました。
言葉が少なかった時期でも、感情の理解と共感が深かったのです。
『ドラえもん のび太の新恐竜』という映画で、お別れのシーンになると、息子は声をあげてワンワン泣き始めました。3歳前の子が、別れのシーンでこれほど感情移入して泣くなんて…と驚きました。
「情緒が育ってない」と思っていたのは誤解だったと、この時気づかされました。
他人の感情に共鳴する姿から分かったこと
息子は他人の気持ちに強く反応するタイプでした。映像やストーリーの中の他者の感情に深く共鳴していました。
YouTubeでは、アフリカの家族に家とバイクをプレゼントする動画を見て涙する息子。
小さな子が、相手の立場を想像して泣く姿に驚かされました。
共感力が高く、敏感な気質があることに改めて気づかされました。
3〜4歳にかけて見えてきた育てにくさの理由
服を着替えられない息子との格闘
着替えができないことが、毎日のストレスになっていました。
少し大きくなると自分で着替えをできるようになるよと言われてきましたが、息子にはそれがみられませんでした。
興味が他に向きやすく、切り替えが難しかったためです。
服を脱いでも 裸でテレビに夢中になってしまい、声をかけても反応なし。
休みの日に自分でできるまで待ってみようと思っても、3時間待っても着替え始めず、結局私が着替えさせて出かけることに。
もう朝の忙しい日は、前日に翌日の服で寝ることも。
「やらない」のではなく、「できない」や「今じゃない」だったのだと、今なら思えます。
お風呂に1時間半かかる…切り替えの難しさ
お風呂の時間が毎日苦痛でたまりませんでした。毎日1時間半もかかっていました。
それは 活動の切り替えが極端に苦手で、感覚過敏もあったからです。
お風呂に誘ってもなかなか入れず、頭や顔を洗うたびに泣かれ、お風呂に入る時も出る時も泣かれ…。
ボディソープの感触が嫌だったようで、固形石けん+手洗いに変更し、泣かなくなりました。
それがわかったのは、おしゃべりができるようになってきてから、本人が伝えてくれました。
「泡の触った感じが嫌だ。洗うののタオルが嫌」
嫌がる行動の裏には、感覚過敏という理由がありました。
衝動性・多動性と買い物での苦労
息子の衝動性・多動性には本当に苦労しました。 一見落ち着いて見えるけれど、行動の制御が難しかったのです。
テレビで好きなおもちゃを見た瞬間、「買いに行く!」と玄関の鍵を開けて出ようとする。その鍵も届かなければ、台を用意して開けようとすることもあります。
買い物中も手を振り払って走り出し、目を離すと行方不明に、駐車場で発見されることもありました。
高いところに登りたいと外出先で、人様の梯子に登ってしまい「親は誰だ!」と言われてしまったことも。
「目立たない=困りごとがない」ではないんです。日々の生活では目立たなくて、気が疲れないこともあるけれど、困っている親御さんはいると思います。
なぜ、この子がこのような行動をするのか、その行動の背景を理解することが大切だと感じました。
まとめ|発達障害の育児で私が伝えたいこと

発達障害児の育児は、想像以上に大変です。
診断がつく前から日常の困りごとが多く、育てている親御さんも悩み・傷つきながら日々を過ごされていると思います。
そして、見てわかるわけではないので、周囲の理解も得にくいからです。
初めての育児で「男の子だからね」と言われてやり過ごしていた違和感。
今なら「そうじゃなかった」と分かることばかりです。
未だに泣きたくなる時もありますが、 発達に偏りがあっても、安心して育児ができる社会であってほしい。
そう心から願っています。
自閉症スペクトラムの基本情報が載っています。のぞいてみてください🌞