「療育、どうだった?」
息子にそう尋ねたとき、返ってきたのは思いがけない答えでした。
嬉しかったこと、つらかったこと、そして息子なりの成長。
並行通園の大変さ、周囲の目に揺れた母の気持ち——
でも、1年を通して確かにあった“前に進んだ実感”。
この記事では、自閉スペクトラムの息子と私が過ごした療育の1年間を振り返りながら、母子で得た気づきと成長、そしてこれからの小学校への思いを綴ります。

療育は大変なこともあったけれど、息子にとっても私にとっても、意味のある時間でした。並行通園や周囲との関わりの中で、心がしんどくなることもありました。
でもそれは、息子のことというより、「まわりの目」や「負担」など、他のことに気を取られていた時だったと気づきました。
息子が「友達ができてよかった」と言ってくれたことで、この1年の頑張りが報われた気がします。
これからも、「息子の今」と「少し先の未来」に目を向けながら、できることを続けていきたいです。
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・自閉スペクトラム症(ASD)の子どもを育てている親御さん
・発達障害の子の療育や通園に悩んでいる方
・子どもの小学校入学を控えている方
・子育てや支援に心が疲れてしまった方
息子に聞いてみた「療育どうだった?」

療育が終わり、少し落ち着いたタイミングで、息子に「療育、どうだった?」と聞いてみました。
返ってきたのは、「新しいお友達ができたから、よかった」という言葉。
正直、療育と並行して通園するのは本当に大変でした。
でも、「よかった」と言ってくれて、母として心が救われました。

そのお友達とは卒園後も繋がれるように、相手のママと連絡先を交換しました。
マイナスな感想も多く、不安もまだまだあるけれど——
ひとつ、大きな山を越えた気がしています。
思いがけない本音と、心に残った良い思い出
さらに詳しく聞いてみると、
- 「怖い先生がいたから嫌だった」
- 「毎日怒ってた」
- 「中指立ててくる子がいた」
- 「いじわるしてくる子がいた」
…と、マイナスな感想がでてきました。
でも「よかったことは?」と尋ねると、 「新しいお友達ができた。ママ、連絡先交換したからまた遊べるよね?楽しみ」と嬉しそうに答えてくれました。
よい思い出もちゃんと心に残ってくれていたことに、一安心です。
息子へ伝えたママの気持ち
息子には私の気持ちも伝えました。
「療育に行く前、通常の園はやめたいって言ってたよね。でも、療育で怖い先生に出会ったことで、通常園の方がいいって思えるようになった。」
「いろんな人や環境があることがわかったのは、大きな経験だったと思うよ。もちろん、怖い先生や中指を立てる子がいたのはよくないけれど、人との相性ってあるからね。」
「これからの小学校生活でも、きっと同じ。みんなと仲良くしなきゃって思わなくても大丈夫。ママは、息子が無理しないことが一番大事だと思ってるよ。」
小学校への不安と伝えたかったこと
「小学校に行くの、不安とかある?」と聞いてみると、 「いじめられないか心配」とぽつり。
その言葉に、私もいろいろ考えました。
漫画『ミステリと言う勿れ』の久能整くんの言葉や、台湾のオードリー・タンさんの話を思い出しました。
いじめは、「いじめられる側」に原因があるのではなく、「いじめる側」が抱える問題や背景がある——。
そんな考えに私も強く共感しています。
だから息子にはこう伝えました。
「いじめって、いじめてくる子の方に問題があるってママは思ってる。その子が助けを求めてることもあるんだよ。」
「だから、もし嫌なことがあっても、絶対に息子が悪いわけじゃない。必ず話してほしい。 ママもパパも味方だから。 先生や相手の親とだってちゃんと話すから、大丈夫。」
すると、息子はにこっと笑って、「わかった」と言ってくれました。
入学に向けて、母としてできる準備
私が一番心配しているのは、息子の心の状態です。
苦手なことも多い息子が、小学校でどう過ごせるのか、うまく適応できるか。
優しい先生たちに出会えることを、心から願っています。療育先のような経験を、もう繰り返してほしくありません。
だからこそ、入学前から先生方や学童としっかり連携を取るように意識しています。
終わりに
並行通園が終わって、ホッとした気持ちがあります。
息子なりに成長し、新しい友達もでき、たくさんの「初めて」を経験できた1年でした。

私自身も不安定になることが多く、職場に頼ることもありました。
「人は一人でできないことの方が多い」と強く感じた1年でもあります。
そして気づいたのは、私が不安になったり、つらくなったりするのは、
「息子自身のこと」ではなく、「周囲の目」や「支援者の負担」など、他の要素に意識が向いた時だということ。
「息子の今に集中する」
「息子の近い未来を少しでもよくするにはどうしたらいいか」
そう考えると、少し心が軽くなります。
これからも、自分と息子を受け入れ、支えてくれる人たちに感謝しながら、歩いていきたいと思います.
本文中にでてきました。ミステリと言う勿れとオードリータンさんの本です。