自閉症スペクトラムの息子と作業療法士ママの小学校入学式!事前準備と当日の様子を振り返って

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自閉症スペクトラムの息子がこの春、無事に小学校へ入学をしました。
新しい環境と大勢の人が苦手な彼にとって、入学式は大きな挑戦です。
事前に先生との打ち合わせをして会場の下見、少しでも不安を減らす工夫を重ねました。

当日は集中力が切れてしまう場面もありましたが、最後まで席に座っていることができ、その後の学級会も乗り切れました。

ふざけたり、甘えたりする様子もありましたが、それも彼なりに頑張っている証拠。
小さな一歩かもしれませんが、私にとっては大きな成長を感じた一日でした。
同じように悩みや不安を抱えるご家族の参考になれば嬉しいです。

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発達障害のお子さんを育てている保護者の方
これから子供が小学校に入学をするご家族
発達支援に関わる支援者の方
自閉症スペクトラムの成長に興味がある方

目次

入学式に向けた事前準備|先生との打ち合わせと会場見学

小学校の入学に向けて、私が動き始めたのは、3月の中旬でした。
小学校の窓口に連絡をして、入学式の会場設営が終わったら見学をしたいということを伝えます。
教頭先生の返事は「毎年いるので、大丈夫ですよー」という温かいものでした。

初めての場所が不安な子への配慮とは?

息子は初めての場所といつもと違う環境になるのが苦手です。
それは、保育園でも同じで夏祭りやクリスマス会・運動会などいつもより人が多かったり、
雰囲気が違う時も一緒です。
入学式も同じで、初めての学校・先生・お友達とその日は初めて尽くしになるので、不安になることが予想されました。

そのため、事前準備がとても大切になります。
息子にした準備は、
➀事前に支援級の先生に合っておく
②会場に行って、自分の座る場所に座ってみる
③気になる場所は事前にチェック
④当日の流れを確認➄もし、参加が難しそうな場合の対処を先生と相談するです。

事前に支援級の先生に合っておく

入学式の前日の午後、息子がお世話になる先生と事前に顔を合わせてもらいました。
落ち着いた状態の時に、自己紹介と先に先生とお話しできたことで、私も安心できました。
名前を覚えることも苦手なので、先に○〇先生と息子と一緒に名前を覚えることもできてよかったです。

そして、先生たちも忙しいので、教育委員会や療育先から伝えてもらったはずの情報はなかなか共有されていなかったということもありました。
なので、入学式に関わりそうな特性「いつもと違う雰囲気が苦手でその場にいられない場合もある」
「切り替えが苦手で呼びかけが通じないことがある」ことをお伝えできてよかったです。

会場に行って自分の座る場所に座ってみる

実際、会場設営がされた体育館に行き、自分が座る椅子に座りました。
そして、担任の先生が名前を呼んだらしっかりと返事をしようという確認をして、先生に名前を呼んでもらい返事をするという練習をしました。
その場で先生とママに褒められて、とてもにこにこでした。

事前に気になる場所をチェック

とっても好奇心が旺盛というと聞こえがいいですが、気になった場所は自分で確認をしないと気がすみません。
司会の先生が立つ台の後ろ、ピアノの下、二階の大きな窓、天井の電気など、自分が気になった場所を自分の目で確認をしたいのです。

先生に説明し、少しの間、会場を自由にうろうろさせてもらいました。
本人の気が済めば、満足して落ち着きます。

当日の流れの確認

当日の流れを一緒に確認します。会場の進行表をみながら、校長先生の挨拶・来賓の祝辞・担任紹介などなど、会式の言葉から閉式の言葉まで、全部で⑫の項目をこんな感じだよと本人に説明をしました。
その時に、時間がかかって待つのが大変になることもあるよという話しも。

式に参加ができなそうだったら

席に座っていられずに立ち歩いてしまったり、会場でみつけたママのところに来てしまったりなど、式に参加できない可能性も考えました。

その場合、クールダウンできる場所や親と一緒に会場の外に出る方法など先生と相談をしました。
式は、入学する子みんなのもの、雰囲気を壊すことは避けたかったです。走り回ったりされたら私のメンタルがついていけない。
また、息子がその場にいるのが大変なのに参加するもの難しいので、事前に参加できない場合、どうする?を先生と一緒に考えてもらいました。

式当日!集中力が切れたけど座って過ごせた息子

入学式の受付を済ませると親は会場へ、息子は支援級の先生と一緒に教室へ向かいました。
事前に顔合わせをしていたので、抵抗なくついていけました。
会場では、息子がママを見つけると式に参加できない可能性があるので、人混みに紛れる場所に着席。

そして、先生とは事前に話した、もし参加できなかった場合の対処を今一度確認。これで後は入場を待つだけです。

会場見学で得た安心感で着席できた。

入場は支援級の先生と手を繋いで入場をしました。緊張をしているようで、ママが座っている場所は気が付いていないようでした。
みんなと同じように着席し、式が進んでいきます。途中、天井の電気が気になったようで、ずっと上を向いていましたが、後ろに座っていた支援級の先生の声掛けで持ち直すことができました。
担任の先生から名前を呼ばれた時も見学時と同じように元気いっぱいに返事をすることができました。

集合写真

私の失敗はここでした。集合写真を撮ることを伝えるのを忘れていました。
なので、息子のスイッチは式が終了した際にいったん OFFへ。


集合写真を撮る際には、甘えモードに突入してしまいました
ママのコサージュを奪い時、赤ちゃんみたいなしゃべり方、先生も少し近くにいた方が安心するかもと、私は本人の後ろで写真を撮るように言われましたが、他のママから「私の息子ここなのでと」言われてしまい、私は大人しく一番後ろへ😭
コサージュを渡したのがよかったのか少し落ち着いて写真を撮ることができました🌞

学級会での様子|リラックスしてたけど無事終了

集合写真での甘えモードが入ってしまってから、私の近くを離れません😭
学級会では、席に座るものの、私に横にいてと。息子の隣に座っていました。
先生が話をしていても、姿勢は崩れてしまうし、配布された帽子をかぶったり、落ち着かない様子。

式を頑張ったので、あまり注意はしたくなかったけど、明日からの学校生活に影響がでそうなので、
先生話している時は先生をしっかりみるんだよと話をしました。

息子の成長を感じた一日

小学校の入学式は息子の成長を感じられた日でした。
少し姿勢が崩れてしまったり、ママへの甘えモードがでましたが、式にしっかり参加できたことが本当に嬉しかったです。「ゆっくりだけどしっかり成長している」という気づきが私にとっても安心感になりました。

新しい環境で、初めてのことがこれから多く待ち受けていると思うけど、いろいろな人の助けをかりて、
また少しずつ成長できればいいと思いました。

事前準備がポイント

自閉症スペクトラムの子は見通しが立たないと不安に感じやすいです。
なので、可能であれば、小学校に相談をしながら、会場の雰囲気をみたり、当日の流れを先生と確認しておくことが大切です。


私がした事前準備は、

➀事前に支援級の先生に合っておく。
②会場に行って、自分の座る場所に座ってみる。
③気になる場所は事前にチェック。
④当日の流れを確認。
➄もし、参加が難しそうな場合の対処を先生と相談するです。



写真撮影など細かな流れを息子と共有しなかったのが一つ心残りですが、息子は長い時間頑張れたなと思えた式になりました。

前日のママの気持ち

正直、入学式の前日は私が不安で眠れませんでした。
式で座っていられないかもしれないという思いがあり、特別な日で、いろいろな人がたくさんいる場所でもあるからこそ「普通」を求めている自分がよくわかりました。
「他の子との違いを再認識するのが辛い」という気持ちがあり、
比べたくないけど比べてしまっている自分がいること。頭ではわかっているのに、気持ちがついていかないことを実感しました。

「今の息子を受け止める」それができれば、それだけに集中できれば気持ちも穏やかでいられるかもしれません。
でも、私には難しくて、やっぱりいろいろ考えると泣くこともあります。
泣いてもまた、前に進むしかないから、これからも息子のペースで一緒に歩んでいきます。

この記事を書いた人

名前:とめこ 職業:作業療法士
作業療法士として働きながら自閉症スペクトラムの息子を育てています。最初は息子のこだわりと癇癪に戸惑い、自分を責めてばかりの毎日でした。でも、少しずつ「うちの子らしさ」に気が付き寄り添えるようになってきました。
このブログでは、仕事と子育てをする中で感じたこと、作業療法士としての視点、そして「今」の気持ちを綴っています。
同じように頑張っているあなたへ、温かい小さな灯りのように届きますように。

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