
発達障害の子どもを育てていると、日々本当に大変なことの連続ですよね。
そんな中、「信頼していた療育先で暴言が聞こえてきた」としたら…あなたはどう感じますか?
私の場合は、ものすごいショックを受けました。
そして、息子の様子に違和感を感じた私は、「子どもの心を守るために、今できることは何か?」を冷静に考え、行動に移しました。

何より、子どもの気持ちが安心できるように関わりました。いつもより多く子どもの言葉に耳を傾け、困っていることや嫌なことはないか聞き、暴言には私も悲しい気持ちになると伝え、過度な甘えは受け入れました。
感情を言葉にすることやコントロールすることが苦手な息子は少しずつ落ち着きました。暴言の背景を考えながら行動することが大切です。
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発達障害の子どもを持つ保護者
療育施設の職員や教育関係者
発達障害の子どもと関わる支援者
発達障害児の暴言暴力の背景

今まで他害がなかった子が急に暴言や暴力を振るうようになるのは、何か理由があるのかもしれません。
保育園や小学校・児童館など、子どもだけの世界で過ごしている中で、本人もしらないうちにストレスを抱えてしまっていることも。
大人からしたらちょっとしたことかもしれませんが、その子の特性によっては大きな苦痛なこともあります。

子供と話せる関係を作っていくこと、子供が安心できる環境を作っていくことが大切です。
子どもが暴言・暴力を見せる背景には“外で頑張りすぎている”姿があった
発達障害の子どもは、感覚の過敏さやこだわりの強さなど、日常生活の中でも多くのサポートが必要です。
外ではそのストレスをぐっと我慢し、家では一気に爆発する——そんな子も少なくありません。
私の息子・いっくんも、まさにそのタイプでした。
きっかけは、いつもと違う“いっくん”の様子
ある日から、いっくんの様子に明らかな変化が現れました。
- 口調が荒くなり、暴力的な行動が増える
- 「ぎゅーして」と甘える頻度が急に増える
- 療育に行きたがらない
- 登園時に落ち着かず、バスにも乗れなくなる
「何かおかしい……」
そう感じていたある日、園に送って行ったときに、教室からこんな怒鳴り声が聞こえてきたのです。
「ごめんなさいは?」
「なんでごめんなさいか分かってるの?」
「言って!!」
——ゾッとしました。
まるで、私が家で感情的になったときと同じテンションだったのです。
息子に聞いてみると…やっぱり
「怖い先生、いるの?」
「……いる。毎日じゃないけど。」
やっぱり、そうだったのか。
いっくんの不安や不調の原因は、もしかしたらあの怒鳴り声かもしれない——そう思いました。
子どもの心を守るために、私が行った3つのこと
私は、「子どもが安心して過ごせる環境を守る」ことを最優先に、次の3つの対応を取りました。
- 子どもの様子をしっかり観察し、気持ちに寄り添う
いっくんの言動を注意深く見守り、「今、何が負担になっているのか?」を一緒に考えました。 - 信頼できる相談員さんに状況を共有・相談する
子どもと接する支援者にしか見えない視点もあります。信頼できる方に伝えることで、協力体制を整えました。 - 必要に応じて、市町村や施設の管轄先に報告する
どんなに信頼していた施設でも、子どもに不適切な関わりがあれば、報告と見直しが必要です。
大人の事情より大切なのは、“子どもの心の安全”
暴言を受けたのは子どもです。
大人の事情や感情よりも、
まずは子どもの心の安全が最優先です。
そして私たち親も、
自分の限界に気づいたら休む勇気を持つことが大切です。
定型発達の子とは異なるアプローチや支援が求められるからこそ、無理をせず、周囲の支援も頼りながら進んでいきましょう。
暴言への対処

子供の暴言・暴力には、大人からはみえないストレス・苦痛を抱えていることがあります。
まずは子どもの心の安心感を与えることが大切です。
そして暴言への対処も大切になります。
特性を理解する
発達障害の子どもは、自分の感情をコントロールすることが苦手です。
また、他人の気持ちを理解することも苦手な子が多いです。
どんな気持ちか代弁する
「自分のこの気持ちはどんな気持ちなんだろう」と言い表すことが難しいことが多いので、親が代弁してあげることも必要かと思います。
暴言を言われた時に感情的に「そんなこと言わないの!」と怒るのではなく。
「今、どんな気持ち?」「イライラしている気持ち?」「悲しい気持ち?」と尋ねることで、自分の気持ちを言葉で表すことができるようになってきます。
親も感情的にならずに支える
息子が暴言を言った時、私も感情的になってしまうことがありました。
そしてお互いにヒートアップです。
でもそれはよい関わりではありませんでした。
暴言を言われた時、「今日は何か嫌なことがあったの?」「疲れていると思うから、少し休もう」そのように声をかけると比較的、暴言や暴力がおさまりました。
息子から自分の気持ちを話すように
そうは言ってもこちらも疲れていたり、イライラしている時に、暴言を浴びたら言い返してしまう時もあります。
大人気ないですが…。
でも、言い返し、泣いてしまった息子がある日言ってきました。「今日は保育園で嫌なことがあったのに、どうして家でも怒られないといけないの~!!!」と。
「ごめんねー」と言いながら自分の気持ちを伝えられた息子に拍手でした。
まとめ
発達障害の子どもは自分の感情を伝えることが苦手です。
自分の心の安心感が崩れそうな時に、一番甘えられる母親に暴言・暴力を振るうこともあります。
正直、親の余裕がないとお互いにヒートアップしますが、親は一呼吸おいて、子どもの暴言・暴力の背景を考えてみましょう。
考えられない時は、余裕がないので、休んだり、離れましょう。
何か悲しいこと辛いことイライラすることがあった時、その気持ちを自分で処理できずに溜め込んでしまうことが、暴言・暴力に繋がっていることもあります。
「何か悲しいことがあった?」「何か嫌な事があった?」そう寄り添うことも大切です。
お子さんの感情表出を手助けしながら、辛い時は親子ともに無理しないで休みましょう。
トメコの仕事:作業療法士はこんな仕事です🌞