「自閉症スペクトラムと診断された息子との育児記録|OTママのリアルな体験談」

当ページのリンクには広告が含まれています。

自閉症スペクトラムと診断された息子との日々は、喜びと戸惑いの連続でした。このブログでは、作業療法士である私が、母として感じた不安や育てにくさ、そして療育や進学までの道のりを綴っています。今まさに『うちの子、ちょっと気になるかも…』と感じているママやパパに、少しでも心が軽くなるきっかけになれば嬉しいです。」

<この記事がおすすめの人>

「なんとなく育てにくい」と感じているママ・パパ
初めての子育てで不安を感じている保護者
自閉症スペクトラムや発達障がいについて、もっと知りたい方
「指示が通らない」「全然話を聞いてくれない」と感じている方
周囲に相談しても「大丈夫」と言われてモヤモヤしている方

息子が自閉症スペクトラムと診断されるまで、私はずっと“子どもあるある”の範囲だと思っていました。
でも、やっぱり違和感は確かにあったんです。
子どもの行動に対する「違和感」や「困りごと」がたびたびありました。
公園でも駐車場に向かってしまう、石を並べる、車に乗れない・降りられない、感情的な反応(ドラえもんで号泣)など。
「子育てが大変すぎる…と思ったら、どうか一人で抱え込まないで。発達特性の可能性があるなら、早めに相談することが自分と子どもを守る第一歩です。」

目次

自閉症スペクトラムの子育てが「しんどい」と感じたときに読んでほしい|OTママのリアル育児記録


自閉症スペクトラムの診断前に感じた「なんだか育てにくい」の正体

「うちの子、ちょっと育てにくいかも…?」と感じたら。

発達障がいに気づくきっかけは「育てにくさ」

息子が1歳半を過ぎたころ、なんとなく「他の子と違う」と感じ始めました。初めての子育てで比較対象がなかった私は、「これって個性?それとも発達の問題?」と迷いながら日々を過ごしていましたが、そのモヤモヤは次第に強くなっていきました。


うちの息子はこんな行動をしていました。

  • 公園に行っても遊具では遊ばず、駐車場にまっしぐら
    目の前に遊具があるのに、車が行きかう駐車場へ歩いて行ってしまいます。
  • 落ち葉や石、アリをじっと観察し、声をかけても反応がない
    何かに夢中になると言葉かけが耳に入ってきません。何度声をかけても初めて聞いたという感じになります。
  • 目を離すと一直線にどこかへ歩いていってしまう
    自分の気になるものがあると、それが何かを確かめたくて母親がどこにいるかなどもかまわずに歩いて行ってしまいます。
  • 車に乗るまでの数メートルが、なかなか進まない
    庭にある車までほんの3m程度ですが、言葉がけだけでは車に乗るのに30分以上かかりました。
  • アニメ映画を見て感情が爆発し、大号泣してしまう
    ドラえもんの映画を見て、TVの前に座って号泣をしていました。それが、3歳くらい。ちょうどお別れのシーンで泣いていました。その時に感受性が強すぎると思いました。

子どもが言うことを聞かないのは、指示が通らない特性のせいかも?

作業療法士という立場で発達障がいに関わる仕事をしていても、いざ我が子のこととなると見えにくくなってしまいます。それでも、「この子はやっぱり何か特性がある」と確信するまで、私はずっと悩み、葛藤していました。


「声をかけても動かない子」には理由がある|自閉症スペクトラムの感覚特性とは

「車に乗るよ!」と何度声をかけても、全く動かない――。この“指示が通らない”感じ、実は自閉症スペクトラムの子に多い特性なのです。

なぜ子どもに声が届かないのか?感覚の偏りがカギ

息子は玄関から車に乗るまでの間、葉っぱ、ゴミ、アリなどに夢中で、私の声には反応しませんでした。
これは“視覚優位”という、自閉症スペクトラムの子どもによく見られる特徴です。

視覚優位な子は、目に入る情報が最優先

目に見えたものがすべて「気になる」「気が散る」対象になるため、耳からの指示がうまく入らず、話を聞いていないように見えることが多くあります。つまり、言うことを聞かない・指示に従えないのではなく、「そもそも耳に届いていない」のです。同じことを30回言っても耳に届いていないこともありました。
なんでこんなに伝わらないのかなと感じることも。

子育てがしんどい…「育てにくい子」と感じたら疑ってみてほしい発達障がい

「イヤイヤ期?」「男の子ってこんなもん?」そんな風に片づけられてしまう違和感、あなたは抱えていませんか?

周囲の「大丈夫」が、かえってつらいことも

周りにこんなことが大変でと話すけれど、「子どもってそんなもんだよ」と返されては、納得できずにいました。
そして、私が子育てが下手くそだから、ママに向いていないから、そんな風に自分を責めていたこともあります。

育てにくさは、発達障がいのサインかもしれません

「もっと早く発達相談をしておけばよかった」――これは、診断を受けたときに感じた正直な気持ちです。
母親としての直感はとても鋭いもの。違和感を覚えたら、遠慮せず相談していいのです。

子育ての悩みをひとりで抱えないで

自閉症スペクトラムやその他の発達障がいをもつ子どもの育児は、想像以上に大変なこともあります。
だからこそ、ママが「しんどい」と感じたら、それは立派な相談のタイミングです。


【専門職が解説】発達障がいの種類と特徴まとめ

「うちの子、もしかして発達障がいかも…?」と感じた方へ。
代表的な発達障がいの種類と特徴を、簡単にご紹介します。


自閉症スペクトラム症(ASD)

  • コミュニケーションや対人関係が苦手
  • 感覚の過敏・鈍麻がある(音、光、触覚など)
  • 同じ遊びを繰り返す、こだわりが強い

注意欠如・多動症(ADHD)

  • 注意が散りやすい、集中が続かない
  • 落ち着きがない、じっとしていられない
  • 思いついたことをすぐに行動してしまう(衝動性)

限局性学習症(SLD)

  • 読み書きや計算など、特定の分野だけ極端に苦手
  • 知的発達には問題がないため、見過ごされがち

発達性協調運動障害(DCD)

  • 不器用、運動がぎこちない
  • 筆圧が弱く、字がうまく書けない
  • 体を使った遊びが苦手

まとめ:育てにくい子には理由がある|まずは気づきが第一歩

「育てにくい」「話を聞いてくれない」――それには必ず理由があります。
自閉症スペクトラムなどの発達障がいの特性を知ることで、子どもとの関わり方が少しずつ見えてきます。


作業療法士ママとして、そして一人の母として、同じように悩むママたちの力になれたらうれしいです。

この記事を書いた人

名前:とめこ 職業:作業療法士
作業療法士として働きながら自閉症スペクトラムの息子を育てています。最初は息子のこだわりと癇癪に戸惑い、自分を責めてばかりの毎日でした。でも、少しずつ「うちの子らしさ」に気が付き寄り添えるようになってきました。
このブログでは、仕事と子育てをする中で感じたこと、作業療法士としての視点、そして「今」の気持ちを綴っています。
同じように頑張っているあなたへ、温かい小さな灯りのように届きますように。

目次