発達障害・自閉症スペクトラムの子どもを育てる中で、仕事と育児の両立に悩む方は少なくありません。
私も作業療法士としてフルタイム勤務を続ける中、
息子の療育送迎や日常生活の支援に限界を感じ、退職まで考えました。
しかし「介護休業」という選択肢に出会い、
休業を経て職場復帰できた体験があります。
この記事では、介護休業取得の経緯や職場への相談方法、取得してよかったこと、退職との比較についてお伝えします。
<この記事がおすすめの人>
- 発達障害・自閉症スペクトラムの子どもを育てている
- 仕事と育児の両立に限界を感じている
- 介護休業を取得するか悩んでいる
- 退職・転職以外の選択肢を知りたい
- 職場復帰のイメージを持ちたい

介護休業を取得して、「職場に戻る」「戻る場所を確保」し、
安心してて子どもと向き合い介護をすることができました。
私の経験が、誰かの役に立ちますように。
2025年4月から変わった育児・介護休業法

私が介護休業を取得できたのは、
2024年10月です。
法が改正される前に、取得することができ、
職場にはとても感謝をしています。
改正後の内容を見ると、
自閉症スペクトラムや発達障害の特性を考慮してくれている文言が追加されています。
これから取得できるできる人が増えることを願っています。
改訂内容👇
私は復帰後、時短勤務にしていきます。
利用開始から3年間は時短勤務が可能だからです。
私の場合、2024年4月に時短勤務をスタートしました。
なので、2027年4月まで時短勤務などの制度利用が可能な期間となります。
(詳しくは、各職場・労働局ご確認ください。)
時間外労働の制限について|介護休業制度特設サイト|厚生労働省
所定外労働の制限について|介護休業制度特設サイト|厚生労働省
短時間勤務等の措置について|介護休業制度特設サイト|厚生労働省」
法改正の内容をみて思うこと
欲を言うと発達障害児の支援サービスは地域で差はあるので、3ヵ月で準備して復帰というのはとても大変だとも感じます。
せめて半年はほしいなと思いました🌞
発達障害・自閉症スペクトラムの子どもの育児と仕事の両立の難しさ

私が、退職まで考えるほど育児に追い詰められたのは、息子の療育送迎と日常生活の大変さが原因でした。
息子は知的障害のない自閉症スペクトラムと診断され、見た目ではわからない特性が多く、
「わがまま」「頑固」と誤解されることがよくありました。
療育が始まって2ヶ月ほど経った頃、息子は療育への登園拒否が強まりました。
バスに乗るのを嫌がり駐車場を走り回ったり、車から降りなかったり、高い塀に登ったり。毎日が戦いのようでした。
さらに、
- オムツを卒業していたのにおねしょの再開
- 自分でできていた着替えができない
- 母親にだけ暴言・暴力(顔面を蹴られ銀歯が取れた)
- 過度な甘え(抱っこやハグを10分おきに要求、お風呂で「おっぱい飲みたい」と言う)
という状態が続き、私の心も限界に。
遅刻の連絡を職場に入れるたびに「申し訳ない」「どうしてこんなことに」と自分を責めました。
介護休業を取得するまでの経緯と職場への相談方法
限界を感じた私は退職を考えましたが、「介護休業」という制度を知りました。
ただ、制度上取得できるか不安がありました。
そこで、まず総務課に相談。
「上司に直接相談してみては」と助言をもらい、職場長に相談することに。
幸いにも職場長は小児リハビリを担当する理学療法士で、特性への理解がありました。
普段から息子の特性について話していたことで、相談しやすい関係ができていたのも大きかったです。
相談では、子どもの状況と自分のメンタルの限界を正直に伝えました。
同僚には業務に支障が出ないよう、やんわりと状況を伝えるにとどめました。
そして、介護休業を取得することができました。
介護休業を取得して良かったこと
介護休業を取得して最も良かったのは「子どもとじっくり向き合える時間が持てたこと」です。
そして、退職を選ばずに職場復帰できたことも大きな成果でした。
退職すれば子どもと一緒にいられる時間は増えますが、
- 保育園の退園
- 新しい居場所づくりの負担
- 環境変化による子どもへの影響
- 再就職や収入減少のリスク
など、多くの課題もあります。
介護休業という選択肢を取ったことで「戻る場所」を確保できました。
退職という選択肢との比較
退職は悪いことではありません。
ただ、発達障害・自閉症スペクトラムの子どもにとって環境の変化は大きなストレスになります。
子どもの安心できる居場所を守るには「親の働く環境」も重要だと感じました。
物価高騰の今、世帯収入が減る不安も大きい。
退職による就職活動の負担も考え、
私は「退職のタイミングは今ではない」と判断しました。
介護休業取得を考える方へのメッセージ

介護休業を検討する時、心も体もいっぱいいっぱいになっている方が多いと思います。
その中で「転職」「退職」以外に「介護休業」という選択肢があることを知ってほしいです。
子どもも親も成長します。
福祉サービスや周囲の支援を得ながら、負担が軽くなる時も必ず訪れます。
発達障害・自閉症スペクトラムの子どもを育てる方が、望む形で働き続けられる世の中になりますように。
介護休業法(2025年4月改正)を多くの方に知っていただき、孤立せず選択肢を持てる社会を願っています。